DNA Climate Project

Challenge to the new generation cloud
resolving climate simulation

2021年9月4日

第7回雲解像気候学セミナー


[日時]
2021年10月27日(水) 13:00~15:00

[場所]
オンライン zoom使用予定

[発表者]
辻野智紀(気象研究所)

[タイトル]
領域雲解像モデルによる台風シミュレーションと強度変化のメカニズム

[要旨]
熱帯低気圧 (以下, 台風) は熱帯海洋上で発生, 発達する地球上で最も激しい気象擾乱の一つである. 台風は中心から半径 100 km 周辺において, 活発な積乱雲と激しい降水, 暴風を伴う. 特に台風の最大風速は, 中心を取り囲む円形の積乱雲群 (壁雲)付近の対流圏下層に見られ, 壁雲での対流活動に依存して 1 日程度の時間スケールで急激な変化を示すことがある (台風の急発達、急減衰).しかし台風は観測の乏しい海洋上でその生涯の大部分を過ごすため, 急発達, 急減衰の過程はまだ完全に理解されていない.また壁雲での積乱雲活動と台風の渦構造は密接に関係するため, 数値モデルによる高精度な台風強度予報には,積乱雲群を表現できる程度の水平解像度が必要とされる.
本発表でははじめに台風の強度変化についての機構を簡単に紹介する. その知見をもとに,発表者による領域雲解像モデルを用いた実事例台風シミュレーション研究を紹介する. 発表では特に急発達と急減衰に着目し,それぞれ台風の構造や強度がどのような過程を経て変化するのか, その要因は何であるかをシミュレーション結果を詳細に解析することで明らかにする.最後に発表者の最近の研究と関連させて, 台風の強度, 構造変化過程の理解に向けた中心付近の観測の重要性を議論したい.

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