DNA Climate Project

Challenge to the new generation cloud
resolving climate simulation

2022年7月25日

第14回雲解像気候学セミナー


[日時]
2022年9月30日(金)14:30-16:30

[場所]
東大本郷キャンパス + zoom 

[発表者]
神山 翼(お茶の水女子大学)

[タイトル]
黒潮とメキシコ湾流の同期現象に関する諸問題

[要旨]
発表者は昨年,北半球最強の暖流である黒潮とメキシコ湾流の変動にともなって,日本東方沖とアメリカ東海岸沖の海面水温が同時に暖かくなったり冷たくなったりを繰り返す現象を発見し,「境界流同期」と名付けた (Kohyama et al. 2021, Science)。これらの暖流は北米大陸をはさんで約一万キロメートル離れているにもかかわらず,中緯度地域の上空に一年中存在する強い西風である「偏西風ジェット気流」の南北移動を介して,互いの海流の強さや流路の変動の情報が交換され,水温を同期させることが明らかとなった。本現象によってもたらされる,北半球中緯度域の大都市圏を狙い撃ちするような猛暑の分布は、1994年や2018年などに繰り返し観測されている。本発表では,境界流同期現象について概説し,未解決問題を提示するとともに,中緯度大気海洋結合現象や高解像度モデルの将来展望について聴衆の方々とともに議論を深めたい。

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